住まいの顔とも言える外壁。近所を歩いていても、素敵な外壁にはつい目がいってしまいますよね。
新築当時はきれいな外壁も、時間とともに劣化が目立ち修繕が必要になってしまいます。
しかしやっと修繕をしても、仕上げ材の種類や塗り替えの仕方によって、新築時とは全然違ってしまった!なんてことも少なくありません。
塗り替えれば元通りになるはず…なんて思っている方は要注意です。
今回は、そんな外壁の修繕時の注意点と購入時の素材選びについてご紹介します。
塗装仕上げの注意点
塗装の場合、一般的に築10年~12年程度が外壁の塗り替えのタイミングとされています。吹付タイル塗装と呼ばれる表面に凸凹のある塗装であれば、塗り替えも同じような塗料で行うケースがほとんどです。
ただ、土壁調のような独特の質感をもつ塗材については注意が必要です。(一般的にジョリパット・ベルアート等と呼ばれる装飾仕上塗材が多いです。)
左官で塗ったような装飾的な仕上げの上に一般的な塗料を塗ると、どうしても既存の質感は失われてしまいます。塗装業者さんから説明がなく、仕上がってみて違いにビックリ!というケースも少なくありません。そのため土壁調の外壁の塗り替えの際には、色だけでなくどのような質感で仕上がるのかをサンプル等で確認されることをお勧めします。
少し高額にはなりますが、質感を保ち土壁っぽく見せるための塗料もあるので、相談してみると良いでしょう。
サイディングの場合の注意点
サイディングとは、板状の外装材を外壁に貼り仕上げる方法の外装材を言います。一定の大きさのパネルを並べて貼っていくようなイメージがわかりやすいかと思います。
凹凸感をサイディングの濃淡で表している商品は、上から全面的に塗り替えを行うと、濃淡の表現が難しく単色になってしまいます。
写 真はタイル調のサイディングで、目地部分とタイル部分の色を変えたデザインとなっています。こちらも塗り替えの際には上から全面的に塗ってしまうので、単 色になってしまいます。タイル部分と目地とのメリハリが効いた配色だったものが、どうしてものっぺりした印象の仕上げになってしまうでしょう。
タ イル部分と目地部分のコントラストを活かすために、透明のクリア塗料を使うこともありますが、その場合、既存のちょっと褪せた色の上に艶を出すような感じ になります。また、擦りキズや凹みキズ等がある場合、その部分を色合わせ補修でもしない限り、そのまま残ってしまいます。
このように、新築当初色や質感の好みだけで選ぶと、将来の塗り替え時に同じような質感を出すのが難く、好みと違ってしまう!なんて場合があることを理解しておきましょう。
またサイディングは塗り替えの際に、つなぎ目の部分のシーリングのやり直しも必要になりますので、一般的な塗り替えよりは高額になります。
修繕を依頼する際は、腕が良いのはもちろんのこと、商品に詳しく以上のような説明を含めた提案力のある業者さんを選ぶといいですね。
新築の住宅などご自身で選択できる場合は、計画中のデザインを修繕後も維持できるか?メンテナンス費用はどれくらいかかるのか?といった点も含めた検討をされることをお勧めします。
外壁を含め、修繕の必要性や劣化の具合などご自身だけではわからないことなどありましたら、ホームインスペクター(住宅診断士)に相談してみましょう。