見落とすと危ない?窓と耐震性の意外な関係

  • Update: 2016-03-25
見落とすと危ない?窓と耐震性の意外な関係

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住宅購入の際、多くの方は、窓といえば陽当たりや通風を気にしますよね。でも、窓は耐震性にも関わっているってご存知でしたか?

今回は、新築の木造一戸建てを契約し、引き渡しを迎える方が知っておきたい、窓のチェックポイントをホームインスペクター(住宅診断士)がご紹介します。

中古一戸建てホームインスペクション(住宅診断)

窓と耐震性の関係

窓そのものには建物を支える性能はありません。しかし、窓の位置が図面と大きく異なっていると、建物の耐震性が変わってしまうおそれがあります。

なぜならば、「窓の位置が図面と異なる=壁の形状が図面と異なる」からです。木造戸建の場合、「耐力壁」という壁が建物を支える役割を持ちます。耐力壁の大きさや窓の位置は、建設工事が始まる前に法律で定められた耐震基準を超えるように構造計算したうえで設計されています。

窓の位置が変わり、壁の形状が変わってくると、当初定められた耐震性とは異なる強度になる恐れがあります。

図面と実際の窓を見比べましょう

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新築戸建の内覧会(竣工検査)立会いなどで物件の検査におうかがいすると、窓やドアの位置が図面と違うことがあります。特に、建売住宅を契約された方だと、図面より先に建物を見ているので、特に間違いに気付かない方が多いようです。

建物を見るときは、図面と建物を見比べて、窓の位置や形に間違いがないかをチェックしましょう。なお、窓は工事中でも比較的早い段階で取付けられるため、工事中にチェックするのも良いですね。

た まに窓の「形」が異なっている場合もあります。たとえば腰の高さに設けられる「腰高窓」が、足元まで開いている「掃出し窓」になっていることも。木造戸建 てでは、ちょっとした壁の形状変更が構造に関係することもありますので、位置だけでなく形・大きさも図面と違っていないかチェックしておきましょう。

図面と窓の位置・形が違ったらどうする?

まず、窓が図面と異なっていることについて、売主さんや施工会社さんに説明をお願いしてみましょう。

と いうのも、「図面と実際の窓が違う=危険」とは必ずしもいえないからです。建物は工事途中に設計変更することもあります。このとき、建築士が耐震性を十分 に考慮して設計変更しているようであれば、当初設計と実際の建物が違うことに問題はないでしょう。(注文建築で施主に報告しなかった場合は、報告義務の点 で問題はありますが)

しかし、何の根拠もなく「これは施工中に変更されました」と口頭で言われてしまうと、設計した耐震性より低い強度になっている心配もぬぐえません。また、実は間違っているのにごまかされているのでは?という不信感の元にも。

ですから、もし耐震性を確認したうえで窓の位置や形状を変更している場合には、現状を反映した正しい図面と、耐震性を備えていることが検証できる計算書などを受領することをおすすめします。

新しいマイホームでの生活を安心してスタートできるように、しっかりチェックし、不安な点は事前に解消できるといいですね。