自分でできる!中古マンション簡単チェックのすすめ

  • Update: 2015-12-24
自分でできる!中古マンション簡単チェックのすすめ
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さくら事務所 編集部

中古マンション購入を検討する際、確認したいのが耐震性や構造躯体に欠陥がないか?といったところ。
ですが、共用部分の調査は管理組合の承認がないとできません。
手続きの手間や費用の面から見ても、住戸単位の売買で建物全体の調査・診断をするのは現実的ではありません。

そこで、今回は中古マンション見学時に、目視でチェックできるポイントをホームインスペクター(住宅診断士)がご紹介します!
見た目にもわかる不具合が何の対処もされずに放置されていないか、維持管理状態が良好か、ご自身の目でしっかり確認・把握しておきましょう。

構造躯体の調査は難しいため、目視できる箇所を確認

・コンクリート製外壁等の表面
タイルや塗装材が施されたコンクリート製の外壁や手すりなどの表面に、長さが1M近くあるようなひび割れがないかを確認します。
参考写真2

↑こちら、バルコニーの手すり表面に、多数のひび割れが発生していますね。

また、コンクリートのひび割れに雨水が染みて白い石灰質が流れ出した「白華減少(エフロレッセンス)」が何箇所も起きていないか?もチェックが必要。
これらのように表面を見てすぐわかる現象がある場合は、管理組合が原因究明や補償について話し合っているかどうか聞いてみることをオススメします。
参考写真1

↑こんなふうに、白華現象(エフロレッセンス)によってタイル表面が変色している状態、見かけたことはありませんか?

・鉄部の塗装
共用廊下にあるメーターボックスや玄関ドア枠などの鉄製品は、経年すると塗装が劣化し、表面が白く粉をふいたようになります。
これを放置するといずれ鉄自体が錆びて欠けることもあり、少なくとも十年に一度程度は表面に塗装工事を実施するのが望ましいでしょう。
鉄部の表面が白っぽくなっていたら、だいたい何年に一度塗装工事を行っているかを確認しましょう。

・エレベーター防犯対策
大きなマンションでも意外とエレベーターで他の住民に会わないことが多く、ひとりきりで乗る機会も多く出てきます。
そのため、どんな防犯対策が施されているかを見ておくと安心です。
代表的な対策は「防犯カメラ」「窓付きの扉」「かご内を映すモニター」の3つ。
それぞれ、かご内の様子が外から見られる状況を作り出すもので、いたずらや犯罪の発生を抑止する効果が見込まれています。
なお、防犯カメラは設置されているだけでなく、録画機能があるかも確認しておきましょう。

参考写真3

↑このように、外から中の様子がわかるよう、全階または1部の階の扉に窓が付いています。

参考写真4

↑こちら、エレベーター内の様子が1階エレベーターホールのモニターに映し出されています。

下階に水漏れ!なんてことのないように配管は要注意

基本的に床や壁、天井などが仕上げ材で覆われているため、コンクリート構造躯体の状態を確認するのは難しいでしょう。
その住戸で生活するにあたり影響がありそうな故障や劣化等の不具合を把握し、リフォームやリノベーション工事の発注時の参考にしましょう。

壁表面の変色
壁表面のうち特に注意して見たいのが共用廊下やバルコニーなどの屋外に面した壁です。
雨漏りや結露によってカビが生え、変色が見られることが多いからです。
なお、同じカビによる変色でも、原因が雨漏りなのか結露なのかにより、対処方法が変わります。
原因にあった修繕を行わないと、内装リフォームで壁紙を張り替えても再度カビが発生する可能性が高いため、専門家に原因推測や対処法について相談するのがいいでしょう。

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配管の水漏れ
水回りの配管からの水漏れは、自宅内にカビを発生させる恐れがあるほか、下階などの住戸に被害を与える可能性があるため、特に注意したいチェックポイントです。
キッチンや洗面台で軽く水を流したあとに配管を手で触り、濡れがないかを確認するとともに、床下や天井裏の状態も確認しておきたいところです。
点検口を開け、ライトで照らすと部分的にではありますが、隠ぺい部の水漏れに気付けることがあります。

参考写真6

参考写真7
ぜひ物件見学の際の参考になさってみてください。