冬は火災が多い季節・・・住まいの『耐火性能』をチェックしよう

  • Update: 2015-11-23
冬は火災が多い季節・・・住まいの『耐火性能』をチェックしよう

住宅購入を検討される際、チェックすべき項目はたくさんあるかと思いますが、地震の多い日本。地震の発生率も上がっている中、住宅を購入する際に「耐震性」を気にしていらっしゃる方は多くいらっしゃいます。次に光熱費のランニングコストを見据えた「省エネルギーの断熱性能」。

大地震への対策と、冷暖房時の使用エネルギーの削減は国の方針でもあり、どちらも住宅購入の際にチェックすべき大切なポイントです。しかし、ここで同じくらいに関心を持っていただきたいのが『耐火性能』です。

建物の『耐火性能』とは?

建物の『耐火性能』とは、火災時に人命や財産などを守るために建物が耐えられる時間を求めるものです。そのため、耐震性能と同様、万が一のときのためにチェックしておきたいポイントなのです。 しかしながら、『耐火性能』に対する関心が少ないのは、耐震性に注目が集まり、あまり着目されていないこともありますが、先入観で「火災に強いのは鉄筋コンクリート造で、木造は火に強くないし・・・、木造はどれも変わらないと思っていた」というイメージをお持ちの方が多いからではないでしょうか。 実際にさくら事務所へのご相談にみえた方からそうしたお話をお聞きしたこともありました。 しかし、それは全くの間違いであり、実は同じ木造でも耐火性能にはいくつか定められた種類があり、それぞれ性能に差があります。

耐火性能の差はどのように生じるか?

一般的には、都市計画法によってエリアごとに「防火地域」、「準防火地域」、「指定なし」などに区分けされ、建物の大きさ(面積・階数)によって、建物を耐火建築物、準耐火建築物にしなければならない場合があるので、おのずと性能にも差が生じます。
例えば、防火地域では面積100㎡以上になれば耐火建築物になり、準防火地域では3階建てになれば耐火建築物または準耐火建築物などがあります。従って、建主の意向と言うより、知らないうちに決められていた、というケースも多いのです。
もちろん建主が希望すれば、より高い耐火性能を求めることができます。耐火性能の種類は、都市計画法と建築基準法による耐火建築物、準耐火建築物、建築基準 法22条による防火制限のほか、フラット35(住宅ローン)による省令準耐火構造、住宅性能表示制度による耐火等級などがあります。
住宅購入を検討されている方には、相談している設計者や工務店、住宅メーカーへ、どの耐火性能になっているのか、またどの耐火性能にできるのか、ぜひ確認していただきたいと思います。

構造が火災に耐えられるようにするため、隣家からの延焼抑止のため屋根と外壁、設けられているサッシなどの開口部にも対策を講じることになり、その方法は、構造と屋根・外壁の場合、燃え難いもので覆う(被覆)ことになります。
実は、これが意外と難しく、建物の構造が複雑な形状をしていること、また電気や給排水などの配線・配管もあって隙間が生じやすい恐れがあります。隙間がある と火災時の炎は建物の中に入りこんでしまうので、耐火性能を満たさなくなってしまう恐れが出てきます。完成検査に立ち会ったり、住宅診断していて天井点検 口から覗いているとそのような場所をみかけることも非常に多いのです。
耐火性能』も「耐震性」と同じくらいに重要なことなので、しっかりとチェックしておきましょう。