新築マンションや新築一戸建ての内覧会にホームインスペクター(住宅診断士)が同行した際に遭遇した浴室のトラブル事例とチェック項目をご紹介します。
入口ドアのカギ
最近の多くの浴室(ユニットバス)で取り付けられているドアの場合、まずは鍵がスムーズに回るかどうかの確認をしてみましょう。
次にチェックしたいのが、鍵が正しい側に取り付けられているかどうかです。
入浴中の方が鍵を閉められるように、正しくは浴室側に施錠用の「つまみ」があり、洗面室側には緊急時に開錠できるよう「コインで回せるプレート」がつけられます。
ところが、たまに以下の写真のように、鍵が内側・外側逆につけられていることがあります。
<間違った取り付け例:洗面室側のドアノブ>
<間違った取り付け例:浴室側のドアノブ>
入浴中に、お子さんなどに洗面室側から鍵を閉められてしまっては大変なことになります。
手すりの固定状態
浴室内の壁に手すりが取り付けられているときは、見た目の取り付け位置だけでなくしっかり強く引っ張ってみます。
「強く引っ張りすぎて取れてしまったらどうしよう?」と、心配する必要はありません。
手すりは人の体を支えるためにあるものです。
浴槽から立ち上がるときなどにバランスを崩し、手すりをグッとつかめば、手すりにかなりの体重が掛かります。
ですから、チェックのときに手で強く引っ張った程度でぐらついたり抜けてしまうようであれば、いざというときに役に立ちません。
外れた場合は、しっかりと固定をお願いしてください。
「フタ」のサイズ
内覧会時、浴槽のフタは壁の収納用フックなどに掛けられているためチェックする人は少ないと思いますが、思わぬこともあるので一度はフタをしめてみましょう。
<大きな浴槽用のフタが設置されていた例>
フタを交換してもらえば済むのでトラブルのレベルとしては低いですが、引越し当日に、初めての入浴をしたときに気付いたら、ショックが大きいでしょう。
排水口の栓
最後に、チェックに少しだけ時間がかかる項目をご紹介します。
浴槽の栓を閉め、シャワーでお水を半分程度まで溜めたらしばらく(数分~10分程度)放置しておきます。
給湯設備が使えるときは、自動湯張りボタンで溜めてみてください。
水量は多くなくても、水位の変化がわかる程度で大丈夫です。
※施工会社に水は流さないでと言われることがありますが、入居前に自分の目で確認しておきたいとお願いすれば許可してもらえることが多いです
しばらく放置して水位を見ると・・・
かなり、水位が下がっていました。この物件の場合は、そのまま放置していたら約20分ほどで浴槽半分の水がなくなる計算になります。
排水口をしっかり閉めていましたが、栓(部品)が不良品だったようです。
一般に、施工会社の社内検査でも排水機能に問題が無いかは確認しているはずです。
しかし、このように少量ずつ水が漏れ出してないかというチェックはしていないため、部品の不良に気付けていないケースがあります。
こちらも部品交換なので非常に容易に直りますが、知らずに入居していたら、問題に気づくまでの間、水道代を損することになります。
どのチェックも、入居後に普通に行う動作なのでとても簡単です。
見た目のチェックだけで終わらないよう、きちんとチェックしましょう!