ズバリ、どんなマイホームを選ぶのが賢い?

  • Update: 2014-01-25
ズバリ、どんなマイホームを選ぶのが賢い?

住宅市場が大きく変革している中、私たちはどういった住宅を選ぶのが適切でしょうか。

国は、これから本格的な人口減社会へと突入することを見越して、エコ・コンパクトシティという概念を数年前から打ち出しています。「お金のかからない、住みよい小さな街づくりをしよう」ということです。

ゴミ収集などの行政サービスや上下水道といったインフラ整備などの非効率さを改め、さらに高齢化に対応するため、歩きか自転車で生活できる街づくりをしよう、という傾向にあります。

自動車中心から鉄道中心の社会へ

エコ・コンパクトシティの中心となるのは、駅周辺と鉄道沿線。つまりは自動車中心から、鉄道中心の社会になりつつあるのです。

そのため、自動車がなければ生活できない郊外に土地を持っていても、若い世代が入ってくる「魅力的な何か」がない限り、資産性としては厳しいかもしれません。例えば、子育て時期のことだけを考えて家を買うと、あなたが老後を迎えた時に家の価値が全くない、なんていうことも考えられます。

これから選ぶ地域が、コンパクトシティ的な方針の枠の中にあるのかそうでないのか?これは、住むことへの快適性のみならず、将来的な資産性にも大きく影響します。基礎自治体の都市計画課などに直接赴いて、該当地域の今後の方向性を尋ねたいところ。地元に詳しい人を見つけてヒアリングを行うのも有効です。

ライフサイクルコストを意識

当初の建築費などの「イニシャルコスト」より、「ライフサイクルコスト」を強く意識しましょう。ライフサイクルコストとは、設計から建設、居住中の光熱費、修繕費、最後の解体費に至るまで、建物の一生にかかるコストのことです。

ライフサイクルコストから見れば、イニシャルコストである建築費は氷山の一角にすぎないことは、業界ではよく知られています。「お金のかかる建物」は文字通りランニングコストとして損をするうえ、将来には資産性の低い建物と認定される可能性が高くなるでしょう。

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※画像:竹中工務店グループ アサヒ ファシリティーズHP (http://asahifm.com/) より抜粋

では、”ライフサイクルコストの低い住宅”とはどんなものでしょうか。例えば、
・「メンテナンス性」の高いもの
・建物の形状は極力シンプルなもの

上記2つが当てはまる住宅を選ぶと良いです。複雑な建物形状はメンテナンスコストが高くつくほか、雨漏りなどの可能性を増やします。キッチンなど設備は汎用性の高いものを使用するのが良いでしょう。

ライフスタイルやサイクルに変化があったとき、また売ったり貸したりする際に、容易に間取りの変更ができる「可変性」が発揮できる建物を選ぶことも重要。当初は4人家族であっても、将来は2人、1人になったとき、現在の間取りで大丈夫か。部屋をつなげるなどして変化に対応できるか。間取りや構造によってそれができる場合、できない場合があります。

基準が低く、義務化もされていない省エネ基準も、国は2020年には義務化の方針。例えばドイツなど欧州では、省エネ性能の高い中古住宅には補助金や税制優遇が手厚く、買いやすく誘導することで、結果として資産性を保持させる政策をとっています。

新築持ち家偏重だった住宅予算も、中古住宅市場にシフトするのは必然です。しかし、その際耐震性はもちろん、上述したメンテナンス性や可変性、省エネ性の高い住宅が有利になってくるでしょう。