「安心R住宅」制度で、中古住宅への不安は解消できる?

  • Update: 2018-03-29
「安心R住宅」制度で、中古住宅への不安は解消できる?

4月1日より「安心R住宅」(特定既存住宅情報提供事業者団体登録制度)マーク付の既存住宅が不動産市場に登場します。 この「安心R住宅」とは、どんな制度でしょうか?

メリットの多い「中古住宅×リノベーション」という住まいの選択肢が注目されている反面、中古住宅に抵抗があるという声もまだまだ聞かれます。

そこで「汚い・不安・わからない」という不安を払拭し「住みたい」「買いたい」既存住宅を選択できるための制度が「安心R住宅」。 国土交通省が認定した事業者団体によって「要件を満たした既存住宅」のみにマークが与えられます。

「妥協して中古住宅」ではなく「住みたい既存住宅」へ

安心R住宅の住宅診断

新築信仰が根強い日本では、従来の中古住宅へのマイナスイメージも少なくありませんでした。

  • 古い家はリノベーションしても品質に不安が残る
  • もし不具合があったら
  • 古くて汚い家は買いたくない
  • 選ぶための情報が少ない、わからない

このような不安が頭にあっても「住まいに高額な予算をかけられないから」と妥協して、中古住宅を購入する場合もあるかもしれません。

一方、既存住宅には「価格が抑えられる」「エリア・住環境の選択肢が広がる」など、多くのメリットがあります。

 

「安心R住宅」の要件を満たす既存住宅として

  • 品質が良く、安心して購入できる
  • 既存住宅だけどきれい、既存住宅ならではの良さがある
  • 選ぶ時に必要な情報が十分に提供され、納得して購入できる

既存住宅の魅力を満喫しながら、従来のマイナスイメージを払拭して「住みたい」「買いたい」住まいの提供を目的としているのが「安心R住宅」制度です。

「安心R住宅」の具体的な要件は?

安心R住宅の要件

「安心R住宅」の要件には、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。

主な要件としては、以下のようなものが上げられます。

  • 新耐震基準などに適合している ・ホームインスペクション(住宅診断)を行い基準に適合している
  • 外装や主な内装、水回りの現況写真などを閲覧できる
  • 購入者の要望があれば、瑕疵保険に加入する
  • リフォーム工事が実施されているまたはリフォーム提案されている
  • 「安心R住宅調査報告書」を作成し、点検、修繕などの住宅履歴が開示されている

 

主に新耐震・住宅診断・情報開示などによって「汚い・不安・わからない」といった購入者の心配を払拭する要件を設けています。 このような要件を満たした「安心R住宅」は、真に安心な既存住宅と言えるでしょうか。

 

既存住宅の個性と向き合った住宅診断を

ホームインスペクション

情報開示によって一見「汚い」「わからない」などのマイナスイメージや目先の心配は払拭されますが「安心R住宅」とは、定められた条件をクリアしたものに国がお墨付きを与えるというもの。既存住宅一つ一つと向き合って、最適な住宅診断と快適に住むための提案がなされているとは限りません。

さらに「安心R住宅」の要件となっている瑕疵保険にそのままで加入できる中古住宅は半分以下と言われ、大半は耐震改修などを行わないと保険適用できないという現状。実質「安心R住宅」の要件を満たす既存住宅は少ないことも考えられるでしょう。

大半の人々には「一生の買い物」である住宅。

「汚い・不安・わからない」といったマイナスイメージが薄れたことで安心し、国が認定したというだけで決断するのは得策とは言えません。

既存住宅には、一つ一つの個性があります。

実績豊富なプロによるインスペクションを通してその家と向き合い、最適な「設計」「工事」「点検・メンテナンス」を踏まえた多面的な診断・提案を受ける安心・納得の住宅選びをおすすめします。