「ホームインスペクション」と「現調」の違いとは? – 異なる目的と検査のスタンス –

  • Update: 2017-05-29
「ホームインスペクション」と「現調」の違いとは? – 異なる目的と検査のスタンス –

住宅を購入する前、あるいは購入してリフォームに取り掛かる前など、リフォーム箇所や費用を判断するために家の調査を行うのが理想的です。ただし、その調査には、第三者性を重視する「ホームインスペクション(住宅診断)」とリフォーム会社の関係者が行う「現場調査」、いわゆる「現調(げんちょう)」の2種類があることをご存じでしょうか?

ホームインスペクションと現調はいずれも住まいの様々な箇所を調べ、不具合を見極めてリフォームを提案するという点で、一見、同様の作業に見えます。しかし、実は、双方には大きな違いがあるのです。

一戸建て解体写真2

ホームインスペクションと現調の違いとは?

一番の違いはその目的です。ホームインスペクションは不動産会社やリフォーム会社と利害関係のない専門の会社が行います。目的は買主やオーナーがより希望に合う住み心地の物件を購入したり、適切なリフォームを行うためのサポート。リフォームの予定の有無にかかわらず住まいのあらゆる部分を調べ、第三者的な視点から指摘や提案を行います。建物の劣化状況に合わせてリフォームの優先順位をお伝えし、問題がなければリフォームが不要である旨も率直にお伝えします。購入前のインスペクションでリスクが高いとわかった場合、第三者の診断結果なので不動産会社との連携がないため、購入を取りやめやすいでしょう。

詳しく点検している様子

一方、リフォーム会社の関係者による現調の目的は、会社にとってなるべくコストパフォーマンスの高いリフォーム工事を受注すること。ですから、建物の劣化状況に関係なく、手間がかからず単価の高いリフォームを提案する傾向があります。その会社が不得意な工事は提案を避けたり、検査を省いたり、その反対に、建物に問題がなくても受注のために何らかの工事を提案したりする場合もあります。
とはいえ、リフォーム会社では現調は無料であることも多く、依頼者は調査から工事費見積、リフォーム提案、工事までワンストップで依頼できるというメリットがあります。物件の図面がないときには、社内で作成を行います。

 

購入前・リフォーム前には、ぜひ調査の検討を!

これからの家族の理想の住環境や暮らしをイメージしてみましょう。それを実現するために、不動産購入前やリフォーム前の調査で重視すべきなのは、第三者性でしょうか、それとも手間のかからないワンストップのシステムでしょうか。どんなに急いでいるときにも一度立ち止まって、しっかり検討したのちに依頼先を決めることをおすすめします。

マンション解体写真