新築工事チェック 取材現場同行記

  • Update: 2016-05-20
新築工事チェック 取材現場同行記

こんにちは。さくら事務所の堀口です。
【一戸建て新築工事チェック(建築途中検査)】の調査に同行してきました。

調査の担当者は、この方↓↓↓↓↓

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山本 忠司さん
担当:山本 忠司のプロフィールはこちら

今回は、構造金物・耐力壁検査のタイミングでお伺いしています。
構造金物・耐力壁検査では、その名の通り、建物の要となる構造について検査をします。大きな地震等が起きた場合に建物の耐力に大きく影響してくる重要な部分ですね。

検査の内容は、使用されている柱や梁の部材の寸法や、部材を接続する金物が図面通りにしっかりと施工されているのか、また建物を支える耐力壁の構成や位置も確認していきます。併せて、木材の含水率防蟻処理などの状況もチェックしていきます。

まずは、現場に入るなり、職人さん達に大きな声でご挨拶。職人さん達からも気持ちの良い挨拶が返ってきました。調査の必需品(ヘルメット、上履き、安全帯)を装着し、安全第一で調査開始です!

早速、前回の土台敷き検査の時に是正をお願いしていた所を確認させてもらいます。

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前回の指摘した「床のひび割れ」の補修状況を確認しています。
しっかりと補修されていた様です。職人さん達の協力体制がなければできないことですね。
お次は、図面を元に、部材や金物をチェックしていきます。
今回の現場は3階建です。山本さんがハシゴで3階まで上がっていきます。

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堀口:「こわ!下を見ない様に、ゆっくり上がっていきます~」
山本:「大丈夫だから、無理しないで。こっちにもハシゴあるから」
ありがたいことに、各階にアクセスできる短いハシゴがありました~。
これなら、なんとかいけそうです。

上階に上がったら、テキパキとオートレーザーを設置し、床合板の水平精度や柱の垂直精度を確認していきます。

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山本:「このレーザーを使って、3/1000以上の傾きがないか調べるんだよ。だから、このフロアでは柱で6㎜くらいの傾きがあると要注意ということだね。」
堀口:「けっこう細かいんですね。」
山本:「そうだね。でもこの現場はとても優秀。精度の高い施工がされてるよ。」

続いて、部材の寸法や金物が図面通りにしっかり施工されているのかを確認していきます。

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山本さんの持っている図面を覗くと、既に多くの書き込みが・・・
堀口:「あれ?調査前なのに、図面に何か書き込んでありますね」
山本:「これは、調査に来る前に予め図面とリストを照合して、パッと見で図面だけでは確認できない筋かいの位置や種類、特殊な金物などの場所を書き込んでいるんだよ」
堀口:「へ~!事前の準備も必要なんですね」
山本:「施工中の現場だから、なるべくスムーズに調査を進めるために事前の準備は大切なんだよ」
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図面とは違う寸法の部材が使われていたようです。
直ぐに職人さんに確認しています。
どうやら、図面よりも大きな寸法の部材に変更されていたようで、今回は問題なしという判断になりました!

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金物のボルトが緩んでいる箇所が見つかりました。
直ぐに写真を撮って、現場監督さんと職人さんに是正のお願いをしました。
耐力壁がしっかり施工されているかビス留めの間隔も外部から確認していきます。

堀口:「足場に上がるのですね・・・」
山本:「そうだね。足場に上がって外周部を確認していくよ。ここからは危ないから、ここで待ってて」
堀口:「はい。そうします。そうさせていただきます。いってらっしゃいませ!」
足場の上をすいすい動く姿は、まるで忍者そのもの。
真剣に調査を進める山本さんにそんな事は話かけられない・・・。

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その後、忍者山本さんは、外周り隅々~最上部の屋根の状態まで確認して降りてきました。
耐力壁のビス留めがされて無かった箇所が見つかり、現場監督さんと職人さんに是正のお願いをしていました。

今回の現場では「みんなで良い家を造っていこう」という想いを感じました。
現場でのコミュニケーションを通じて、現場監督さん、職人さん、そして山本さんお互いの信頼関係が築けているからこそ協力し合えるのですね。そんな関係づくりもインスペクターの大切なお仕事の一つだと改めて感じました。