中古マンションリノベーションチェック同行記:松島編

  • Update: 2017-12-05
中古マンションリノベーションチェック同行記:松島編

今回は、築15年の中古マンションの内装リノベーション工事に伴う、解体後のインスペクションに同行してまいりました。
「マンションは鉄筋コンクリートや鉄骨で出来てるし、調査の必要なんてないのでは・・・?」と思われる方も多くいらっしゃるかと思いますが、マンション特有の不具合や対処の難さがあります。リノベーション・リフォームをするのであれば、解体後の状況確認は欠かせません。このタイミングでしか気がつけない不具合もあるのです。

今回の担当のホームインスペクター(住宅診断士)は松島 伸行。新築・中古また一戸建て・マンションなどオールラウンダーです。

リフォーム前の中古マンションは設備に注意

リフォーム中のインスペクション

まずは、オートレーザーという専門機材で床や壁に傾きがないか調査します。鉄筋コンクリート造の壁や床では、コンクリートを打つときに多少の誤差が出ますが、6/1000の範囲内に収まっているとのことで、問題なしとみなされました。これは、品確法に基づく「建設住宅性能表示制度」の中の、既存住宅における現況調査の基準によるものです。

「全体的にはきれいな状態で、染みやカビなど見あたりませんでした」とのこと。染みの原因の多くは、水漏れです。主に、外壁などのひび割れ箇所、設備配管の通る穴と外壁の隙間からの雨水の染み、上下水道の配管回りより入ってくる水染みに分けられます。また、カビがあると家具や洋服や布団などにカビ臭が移り、人の体内に入ると健康にも被害を及ぼします。特に小さなお子さんのいる家だと影響も心配ですね。

換気口に大量のホコリ・・・見積りにクリーニングは入っていますか?

換気口にホコリがびっしり!換気口のチェック中にちょっと気になる箇所が・・・。ホコリがびっしりたまっていました。

建築基準法では、シックハウス症候群対策のため、住居空間全体を効率良く24時間換気できるようにすることが決められていますが、このようにホコリがたまっていると、外気をうまく取り込むことができません。換気口のホコリ取りが必須のようですね。今回のお客様からは「出来るかぎり現状を生かし、リフォームして使用したい」というご希望でしたが、きちんと見積もりにもクリーニングが盛り込まれていました。ホッと一安心です。

点検口が開かない!もし配管に何かあったら・・?

点検口が開けられません!

次にホームインスペクターが気がついたのは「点検口の位置」。設備の点検口の位置が、物入れの可動棚でふさがれていました。(上部写真)また、キッチン脇のパイプスペースの点検口は、開けることができませんでした!このような場合、もし配管に不具合があっても確認することができません。
マンションの管理会社の方に、開けられるかどうかしましょう。もし開けられない場合は、開けられるよう何らかの対策をお願いする必要があるとのことです。
無理に開けようとしたとき、点検口に傷をつけたり、壊したりしてしまうと、自己負担で修理が必要になるかもしれませんので、ご注意を。

配管に錆び発見!でもここは管理組合に連絡を

配管の錆びまた、キッチン回りの配管について、①の給湯用と②の排水用の分岐管にサビが見られました。ですが、この部分は、お客様の専有部分ではありません。仕様に問題があるかどうか確認するためには、マンションの管理会社に確認をとり、担当の設備業者さんに相談してみる必要があるとのことでした。

中古マンションは、このようなちょっとした調整が面倒で、骨の折れるところがありますが、新築よりも購入価格がリーズナブルであること、お客様のお好みに合わせたリノベーションが出来る自由度が大きな魅力です。
これからどのようなリフォームがされるのか、楽しみですね。
松島さん、本当におつかれさまでした!