部屋の壁にふと目をやった時に、「あれ、壁が盛り上がって見える! 何か問題が!?」とドキッとしたこと、ありませんか?
『壁の盛り上がり』はどうして起こるのでしょうか? 数多くの住宅を調査してきたホームインスペクター(住宅診断士)がご説明します。
→「ホームインスペクターって、いったい何をする人?」 「自分で家をチェックするのと何が違う?」そんな疑問は こちらでお答えしています!
『壁の盛り上がり』、触って平らなら問題なし!
上の写真、壁の少し右よりの位置にうっすらと、壁が盛り上がっているような縦の線が見えるかと思います。
天気がよく、太陽光が室内の奥の方まで届いているときなどに見えることがあり、「壁が盛り上がっている!」「波打っている!」と、施工不良を心配される方がいらっしゃいます。
結論から言うと、「触って平坦(平滑)なら、施工に問題なし」です。
触って平らに感じる程度に少しだけ盛り上がっているから影=線が見えるのですが、これは適切に施工されていても起きてしまう現象なのです。
盛り上がりの理由は、『継ぎ目を埋めるパテ』
「盛り上がって見えるのに触ると平滑に感じる壁」の原因を、順を追って見て行きます。
まずは、壁紙を貼る前の壁下地の写真から。
壁には、壁紙の下に固くて火に強い「石膏ボード」が貼られています。1枚の大きさは、だいたい畳一畳分。これらの石膏ボードを貼り合わせて、室内の壁をつくっています。
問題の「盛り上がって見える」部分は、この壁下地である石膏ボードの継ぎ目に生じます。
石膏ボードを継ぎ合わせていくと、ボード同士の継ぎ目部分は、どうしても凹んだ状態のままになります。そこで、凹みを平滑にすることを目的に「パテ」を継ぎ目に塗り込んでいきます。(写真の白い線)
パテは計2回塗られます。パテ部分だけが盛り上がってしまわないよう、パテ塗布時に、職人がしっかり余分なパテをぬぐってから乾かします。
ですが、いくらぬぐっても、やはり多少はパテの厚みがありますから、壁紙を貼ってから見ると、冒頭の写真のように膨らんで見えることが多々あるのです。
どうやって適切な施工を見分けるか
実際には施工がヘタで、本当に壁表面がこんもりと盛り上がっている場合もあります。施工がヘタなのか、適切に施工されているかを知りたいときは、盛り上がっている部分を中心に、広範囲で壁を触ってみます。見た目に盛り上がって見えても、手で触って違和感を感じない程度の平滑さであれば、壁下地のパテ処理は適切にできていると言えます。
違和感を感じたり、不安を感じたりする場合は、専門家に調査の依頼をご検討になってはいかがでしょうか。
首都圏 中古一戸建て(中古住宅)住宅診断(ホームインスペクション)
東海圏 中古一戸建て(中古住宅)住宅診断(ホームインスペクション)
関西圏 中古一戸建て(中古住宅)住宅診断(ホームインスペクション)
九州圏 中古一戸建て(中古住宅)住宅診断(ホームインスペクション)
北海道圏 中古一戸建て(中古住宅)住宅診断(ホームインスペクション)