新築住宅の施工トラブルが増加?一戸建て工事中のチェックポイント

  • Update: 2017-08-01
新築住宅の施工トラブルが増加?一戸建て工事中のチェックポイント

先日、こんな衝撃的なニュースがありました。「実務者の53%が新築住宅の施工トラブルが増えると回答」(2017年6月21日 日経ホームビルダー)

新築戸建て住宅に携わる実務者の半数以上が「今後、新築戸建て住宅の施工トラブルは増える」と回答したというのです。

現在工事中、または工事を予定している皆様にとっては気になるニュースかと思います。

そこで今回、安心できる家づくりのために、工事中の建築現場で必ず確認しておきたいチェックポイントをさくら事務所のホームインスペクター(住宅診断士)がまとめました。ぜひご参考になさってください。

欠陥住宅を事前に防ぐためには、建築途中の現場でのチェックが重要

図面が完成し、契約を交わしたら、いよいよ工事に着工します。
テレビやインターネットで、突貫工事、手抜き工事、施工ミス、欠陥住宅・・・等々の情報を目にする人も多いでしょう。
問題が起きないようにするためには、慎重な業者選びと建築途中のチェックが欠かせません。

さくら事務所では第三者による現場検査サービス「新築工事中ホームインスペクション(第三者検査)」において、一戸建ての着工から竣工まで建築工事途中を細かくチェックし、手抜きや手抜かりによる施工不良の発生を防止しています。そのうち、一般の購入者の方々にとってもわかりやすいチェック項目に重点をおいて、工事中の確認点をお伝えしていきましょう。

一戸建てで使われる工法

チェックに入る前に、ご自分の家に使われる工法を知っておきましょう。
一戸建てに使われる工法には、

  • 軸組工法(在来工法)
  • 枠組壁工法(ツーバイフォー工法)
  • プレハブ工法
  • 鉄骨造
  • 鉄筋コンクリート造り

があります。

住宅メーカーがオリジナル工法としているものも、ほとんどがこの中のどれかです。
一般的には木造が多く、住宅金融支援機構の調査によると軸組工法と枠組壁工法で全体の75%7~8割を占めています。
地域別では北海道、北陸、九州で軸組工法の割合が全国平均よりも10%以上高く、逆に首都圏、東海、近畿など人口の多いところでは低くなっています。

事前に入手しておきたい、工事用の図面

現場でのチェックに先立って必要なのが、工事用の図面。
建築主(施主)には平面図(間取り図)や立面図などは渡されますが、工事に必要な図面まで渡されることは少ないようです。
しかし工事途中のチェックに必要なのは、平面図よりもずっと詳細な工事用の図面なのです。
その図面とは以下のようなもの。

  • 基礎伏図(きそぶせ図)
  • 床伏図(ゆかぶせ図)
  • 矩計図(かなばかり図)

床伏図には1階床伏図、2階床伏図、小屋伏図などがあります。
これらはプレカット図として、まとまっていることが多いようです。プレカット図とは、工場で加工される柱や梁の位置や太さ、継手の位置などを示した図面をさします。
こういった図面を渡されなくても、申し出て施工業者から受け取りましょう。
将来のメンテナンスの時にとても重要になるものです。

安心できる住まいづくりは、工事中のしっかりしたチェックから

たとえば車を買ったとき、気に入らない部分があったり、使用する間に不具合が生じたりしたとしても、人生の間に何度も買い換えることは普通で、あまり大きな問題にはならないでしょう。
しかし、家は違います。
家を建てるということは、たくさんの資金が必要で、人生においてもそう何度もあることではありません。構造に関わる問題や施工不良があってはならないのです。


今回説明するチェックポイントは、一般の人にとっても比較的分かりやすい部分だけをピックアップしているため、すべての範囲を網羅できているわけではありません。
実際に家を建てるにあたり、より安心感を求めるときには、専門知識を持ったプロに工事中の現場を確認してもらうのもひとつの手です。その際は、第三者性があり、建物調査の実績が多いことが大切です。信頼できる専門家を探してみましょう。